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すべてのご講演の皆様
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3月10日(金)16:00~16:50
プリズムホール
岡田 志麻(立命館大学理工学部ロボティクス学科教授)
人生100年時代に突入する中,だれもが心身ともに健康で幸せな生涯を過ごしたいと願っている.我が国においては,平均寿命の延伸が目覚ましい一方で,*健康寿命との差も問題視されており,健康寿命を延ばすことで「健康で幸せでない期間」を短縮する必要がある.そのためには,人生の早い段階から,心身の健康について気遣い,適切な行動を起こしていく必要がある.まず,個人の健康を可視化するためには,できる限り自然な状態(=日常生活下の無意識な状態)で心身状態を計測する必要がある.本講演では,日常生活下における非接触/低拘束な心身状態計測について最新の研究を紹介する.加えて,健康寿命延伸のためには,個人は自身の心身状態,健康状態を把握したのちに,必要な健康医療行動をとる必要がある.我々の研究では,行動変容に着目し,運動誘導/運動継続のための研究について紹介する.ここでは,行動変容を起こすために必要な生体機能拡張技術についても紹介する.最後に,心身の健康や幸福=well-beingにとって最も重要とされている人間関係の質を高めるための最新の研究を紹介する.
* 健康寿命とは自立して元気に過ごせる期間のことを指す.
岡田 志麻(おかだ しま)君
立命館大学理工学部ロボティクス学科教授.2000年立命館大学理工学部卒業,2002年同大学理工学研究科卒業,2009年に大阪大学大学院医学系研究科の後期博士課程を修了.博士(保健学).三洋電機株式会社研究員,日本学術振興会特別研究員(DC2),近畿大学理工学部機械工学科講師を経て2017年より立命館大学准教授として教鞭をとる.2022年より教授.専門は生体工学で,生体信号センシングのシステム開発や,家庭用の睡眠計測装置の開発,動画を用いたリアルタイム自律神経評価手法の開発のように対象者に負担なく生体生理量を計測する技術開発に力を入れている.近年では,人文社会科学系の研究者とともに世界共通の社会課題解決に必要な技術の探索をしている. ゲームと子育てが趣味.
ISCS Plenary Lectureは,IEEE Control Systems SocietyのDistinguished Lecturer Programに基づいて行われます.そのため,このLectureに限り,IEEE会員は,MSCS 2023/ISCS 2023への参加に関わらず、無料で聴講することができます.
3月10日(金)9:30~10:20/March 10th, Friday 9:30~10:20
プリズムホール/Prism Hall
Wei Ren (Department of Electrical and Computer Engineering, University of California, Riverside, USA)
While autonomous systems that perform solo missions can yield significant benefits, greater efficiency and operational capability will be realized from teams of autonomous systems operating in a coordinated fashion. Potential applications for networked multiple autonomous systems include environmental monitoring, search and rescue, space-based interferometers, hazardous material handling, and combat, surveillance, and reconnaissance systems. Networked multi-agent systems place high demands on features such as low cost, high adaptivity and scalability, increased flexibility, great robustness, and easy maintenance. To meet these demands, the current trend is to design distributed algorithms that rely on only local information and local interaction to achieve global group behavior.
The purpose of this talk is to overview our recent research in distributed control, estimation and optimization in networked multi-agent systems. For distributed control, results on distributed synchronization for agents with various dynamics, distributed single-leader collective tracking with reduced interaction and partial measurements, and distributed multi-leader containment control with local interaction will be introduced. For distributed estimation, results on fully distributed information fusion with multiple networked sensors will be introduced, under very mild assumptions on local observability, communication graphs, and models. For distributed optimization, results on distributed convex optimization will be introduced, under realistic challenges such as non-identical constraints, fully distributed design, and time-varying cost functions. Application examples in multi-vehicle cooperative control will also be introduced.
Wei Ren
Wei Ren is currently a Professor with the Department of Electrical and Computer Engineering, University of California, Riverside. He received the Ph.D. degree in Electrical Engineering from Brigham Young University, Provo, UT, in 2004. Prior to joining UC Riverside, he was a faculty member at Utah State University and a postdoctoral research associate at the University of Maryland, College Park. His research focuses on distributed control of multi-agent systems and autonomous control of unmanned vehicles. Dr. Ren was a recipient of the IEEE Control Systems Society Antonio Ruberti Young Researcher Prize in 2017 and the National Science Foundation CAREER Award in 2008. He is an IEEE Fellow and an IEEE Control Systems Society Distinguished Lecturer.
以下の受賞記念講演が開催されます.
3月9日(木)9:30~10:10
プリズムホール
平田 研二(富山大学学術研究部工学系)
共同受賞者:太田 快人(京都大学),内田 健康(早稲田大学),大堀 彰大,服部 将之(株式会社ダイヘン)
再生可能エネルギー源の活用促進やカーボンニュートラルの実現といった期待に応えるには,多様かつ多数のエネルギー源の導入と柔軟な運用を可能とする次世代のエネルギー需要・供給ネットワークの実現が必要と考えられる.本講演では,仮想的な価格信号を利用した電力機器群の分散協調運用方策を紹介する.これは,電力機器の増設や突然の故障による離脱の際にも一切の変更なしに対応できる plug-and-play 型の運用方策となっている.また講師らの研究グループは,提案する分散協調運用方策の実用化にも取り組んできている.価格信号の受信と分散最適化を実行する小型ハードウェアモジュールの実用化やこれを利用した実システムへの応用ならびに実証実験での取り組みなどについても紹介する.
平田 研二(ひらた けんじ)君
1994年九州工業大学工学部卒業.1999年北陸先端科学技術大学院大学情報科学研究科博士後期課程修了 (情報システム学専攻).同年大阪大学大学院工学研究科助手.2006年長岡技術科学大学技学研究院准教授.2008-2009年カリフォルニア大学サンタバーバラ校 Visiting Research Scholar. 2012-2013年同Academic Research Visitor. 2018年富山大学学術研究部工学系教授.拘束条件を有するシステムやハイブリッドシステムの解析と制御,情報通信を利用した制御系の設計や応用などの研究に従事.
3月11日(土)13:00~13:40/March 11th, Saturday 13:00~13:40
プリズムホール/Prism Hall
Kazunori Sakurama (Kyoto University, Japan)
Control methods for multi-robot systems have massive potential for practical applications, including autonomous vehicles, cluster satellites, and sensor networks. In many applications, cooperative coordination plays a central role. Various methods have been developed for coordination tasks, such as consensus, formation, coverage, and pursuit. Most developments of control methods have taken place for each task individually so far. This talk aims to provide a systematic method to design controllers applicable to a wide range of coordination tasks for multi-robot systems. To this end, we describe the coordination problem in a unified manner instead of handling various problems individually. Then, a complete solution to this problem is provided compactly using the tools of group and graph theories. This talk presents the core ideas of the control theory specific to multi-robot systems and shows practical examples of coordination tasks achievable through this theory.
Kazunori Sakurama
Kazunori Sakurama received a Bachelor's degree in engineering, and Master's and Doctoral degrees in Informatics from Kyoto University, Kyoto, Japan, in 1999, 2001, and 2004, respectively. He was an Assistant Professor at the University of Electro-Communications, Tokyo, Japan, from 2004 to 2011 and an Associate Professor at the Graduate School of Engineering, Tottori University, Tottori, Japan, from 2011 to 2018. He is currently an Associate Professor at the Graduate School of Informatics, Kyoto University, Kyoto, Japan. His research interests include control of multi-agent systems, networked systems, and nonlinear systems. He received the Control Division Conference Awards in 2014 and 2015, and the Control Division Pioneer Award in 2017 from the Society of Instrument and Control Engineers (SICE). He is a member of IEEE, SICE, and the Institute of Systems, Control, and Information Engineers (ISCIE).
3月9日(木)10:30~12:00, 13:30~15:00
Room 2 (C109)
藤田 政之(東京大学),浅野 一哉(JFEテクノリサーチ(株)),池田 建司(徳島大学),劉 康志(千葉大学),児島 晃(東京都立大学)
制御部門マルチシンポジウム (MSCS) は,2013年まで別々に開催していた制御部門大会,制御理論シンポジウム,プラントモデリングシンポジウム,適応学習制御シンポジウム,誘導制御シンポジウムを統合する形で2014年にスタートし,今回で第10回となりました.この間,システム構築と制御技術シンポジウムを加え,国際シンポジウムInternational Symposium on Control Systems (ISCS) を併催することにより,制御分野における研究交流の活性化・国際化に貢献して参りました.
この特別セッションでは,記念すべき第10回を節目として,これまでに制御部門長,MSCS実行委員長の役を担われた方々および現制御部門長を講師にお迎えし,当時のご経験談をまじえながら,ご自身の研究や制御分野について忌憚のないお話をして頂きます.それぞれのご講演とパネル討論を通じて,制御分野の10年間を振り返り,今後10年間の制御分野の在るべき姿を展望します.
SICE制御部門マルチシンポジウム(MSCS)創設の経緯について,当時の部門長として触れる.また60周年を迎えたSICEの歴史に関しても,当時の会長として簡単に振り返る. MSCS創設前後から務めたIEEE CSS副会長・JST CREST研究総括の活動から,国際連携や分野融合についても紹介する.そして横幹連合と共にSICEが推進する横断型科学技術についても考えてみる.最後にいまIEEE CSSが仕上げているRoadmap 2030レポートから多様性のある未来について議論する.
講演者が制御部門長を仰せつかった2011年は言うまでもなく東日本大震災の年であり,その年の制御部門大会は地震発生のわずか5日後に迫っていた.開催可否をめぐって関係者とぎりぎりの折衝を行い,無事開催することができたのは忘れがたい経験である.また,その年はマルチシンポジウム創設に向けて,部門内の意見の調整に奔走した年でもあり,そのような準備期間を経て今回10回目を迎えることには感慨深いものがある.本講演では,産業界からの唯一の講演者として,産業界から見た制御部門,およびそのベースとなる制御理論について私見を述べる.
MSCS2020@徳島の開催中止決定までの経緯やその後の対処などについて説明し,今後不測の事態が発生した場合への教訓としたい.また,対面での学術会議開催の意義を改めて考えてみたい.システム同定やデータサイエンスについても私見を述べたい.
本講演では,主にSICE活動に身を投じてからの私の経験談についてお話します.学生時代から同世代間の交流に関する昔話から,初めてのオンライン開催となったMSCS2021の苦労話を皆さんと共有します.また,現在楽しく進めている制御系設計と機械学習,メタヒューリスティックスを融合する研究についても紹介します.最後に,国際交流に関する経験,SICEの将来に対する思索を披露します.
SICE制御部門は,基幹をなす部会と先端的な分野の調査を担う研究会を中心に活動を続け,本年,第10回マルチシンポシンポジウムを開催する節目を迎えた.本講演では,今後制御部門の運営に関わる方々を想定し,現在の制御部門の成り立ちとその活動をおおまかに紹介する.また,予測制御とその応用に関する研究に携わった経験を踏まえ,システム制御を取りまく環境の変化,システム制御のこれからについて話題を提供する.
藤田 政之(ふじた まさゆき)君
1984年早稲田大学大学院博士前期課程修了.85年同後期課程退学.同年以降,金沢大学,北陸先端科学技術大学院大学,東京工業大学を経て,2020年東京大学教授.東京工業大学名誉教授.JST CREST研究総括,IEEE CSS Vice President, 横幹連合理事,SICE 会長,制御部門長などを歴任.IEEE CSS Distinguished Member Award, IEEE TCST Outstanding Paper Award, SICE教育貢献賞,SICE論文賞・武田賞などを受賞.受動性に基づく制御,ロバスト制御などの研究に従事.IEEE Fellow. SICE Fellow. 工学博士.
浅野 一哉(あさの かずや)君
1983年東京大学工学系研究科修士課程修了.同年旧川崎製鉄入社.2003年旧NKKとの統合により,JFE技研を経て2009年JFEスチール.鉄鋼プロセスの計測制御の研究開発に従事.その間,1993年カリフォルニア工科大学,1994年スイス連邦工科大学で客員研究員.2018年JFEテクノリサーチ,現在に至る.博士(工学).IFACでは金属・鉱山関係の分科会で長年活動,World Congress 2023のIndustry Group Chairとして企画提案をとりまとめている.
池田 建司(いけだ けんじ)君
1991年東京大学大学院工学系研究科計数工学専攻博士課程修了(工学博士).同年,徳島大学工学部助手.同講師、助教授を経て2007年より准教授となり現在に至る.制御工学,システム同定,部分空間同定法の研究に従事.計測自動制御学会,システム制御情報学会,IEEEの会員.
劉 康志(りゅう やすし)君
1984年中国西北工業大学卒業,1988年千葉大学修士,1991年同大学博士修了.修了後,1991年5月千葉大学工学部に着任,2010年同学部教授,現在に至る.AC委員長,MSCS実行委員長などを歴任,SICEフェロー.
児島 晃(こじま あきら)君
1991年早稲田大学大学院理工学研究科博士後期課程修了.同年,東京都立科学技術大学講師.1997年助教授.2005年首都大学東京教授となり,現在に至る(2020年より,東京都立大学に名称変更).2000-01年,スイス連邦工科大学 (ETH) 客員研究員.ロバスト制御,予測制御とその応用に関する研究に従事.工学博士.計測自動制御学会 (SICE) 著述賞(2008年),論文賞・武田賞(1996, 2009, 14, 21年),論文賞(2003, 15, 22年),制御部門パイオニア賞(2004年)などを受賞.Automatica, IET J. Control Theory & Applications, Asian J. Control の Associate Editor,SICE論文集エディタ(2019-21年),IEEE Control Systems Society, Japan Chapter Chair (2020-21) などを担当. SICEフェロー,システム制御情報学会,電気学会,IEEEなどの会員.
IFAC World Congress 2023 Industry Group・SICE 制御部門 制御技術部会 共催企画
3月10日(金)13:40~15:40
Room 2 (C109)
伊藤 章雄(早稲田大学理工学術院総合研究所産業用オープンネットワーク・ラボラトリー)
伊藤 邦春(日本製鉄株式会社技術開発本部プロセス研究所インテリジェントアルゴリズム研究センター 所長)
上野 直樹(太平洋セメント株式会社カーボンニュートラル技術開発プロジェクトチーム チームリーダー)
小田 信二(横河電機株式会社マーケティング本部渉外・標準化戦略センター センター長)
木全 修一(住友化学株式会社技術・研究企画部(カーボンニュートラル戦略審議会事務局))
島田 幸司(立命館大学SDGs推進本部事務局長/経済学部教授)
橋爪 宗信(日立造船株式会社常務執行役員ICT推進本部長)
地球温暖化など環境課題が深刻化する中,カーボンニュートラル(CN)社会の実現は日本でも重要な目標となっています.この特別セッションの前半では,この喫緊の課題について,現状はどうなっているか,どのような取り組みがなされているか,どのような課題があるか,どのような将来ビジョンが掲げられているかを,7名の講師に様々な業種・立場から講演していただきます.この話題提供を通して,これまでCN社会実現を身近な課題として意識していなかった方々にも具体的なイメージを持っていただければと考えています.後半のパネル討論では,参加者も交えた質疑応答を通して理解を深めつつ,明るい将来ビジョンを実現するために,SICE制御部門に集う研究者や技術者である我々にどのような貢献が期待されているか,どのような貢献ができるかを考えていきます.
SICE 制御部門 次世代航法誘導制御調査研究会
3月9日(木)13:30~14:30
Room 4 (C107)
津田 雄一(宇宙航空研究開発機構 (JAXA) 宇宙科学研究所・はやぶさ2プロジェクトマネージャ)
2014年に打ち上げられた小惑星探査機はやぶさ2は,人類未踏の小惑星リュウグウに到達し,4基の探査ロボットによる地表探査,2回の高精度着陸,世界初の人工クレーター作成および観測などを成し遂げ,2020年12月6日に無事地球に帰還した.帰還したカプセルの中からは,5.4グラムという多量のリュウグウのサンプルが確認され,今後の科学成果が期待される.また探査機は余力を活用してさらに2つの小惑星の探査を行うべく拡張ミッションに移行した.本講演では,はやぶさ2ミッションの全体像および,惑星間往復航行技術,リュウグウ近傍での各種運用における技術的挑戦を概説し,はやぶさ2の成果を踏まえて今後の我が国の惑星探査を展望する.
津田 雄一(つだ ゆういち)君
2003年東京大学大学院修了.博士(工学).2003年JAXA宇宙科学研究所助教.2008-2009年,ミシガン大学およびコロラド大学ボルダー校客員研究員.2015年JAXA宇宙科学研究所准教授.2020年同教授.専門は,太陽系探査,宇宙工学,宇宙航行力学.いまや世界中で作られている「キューブサット」と呼ばれる10cmサイズの超小型衛星を世界で初めて開発,はやぶさなどを打ち上げた「M-Vロケット」の開発,小惑星探査機「はやぶさ」の運用などに従事.またソーラーセイル宇宙船「イカロス」のサブチームリーダーとして,世界初のソーラーセイル技術の実現へと導いた.小惑星探査機「はやぶさ2」の開発にあたってはプロジェクトエンジニアとして技術開発を指揮.2015年よりはやぶさ2のプロジェクトマネージャとして小惑星のサンプル採取と地球帰還を成功させた.近著に「はやぶさ2 最強ミッションの真実」(NHK出版),「はやぶさ2の宇宙大航海記」(宝島社),「はやぶさ2のプロジェクトマネジャーはなぜ「無駄」を大切にしたのか?」(朝日新聞出版).
以下のチュートリアルが開催されます.
SICE 制御部門 制御理論部会
3月9日(金)10:30~11:30
Room 3 (C108)
森本 淳(京都大学大学院情報学研究科/ATR脳情報通信総合研究所)
経験から学習しゲームなど仮想世界での意思決定問題において人間を凌駕する方策を獲得できることを示すことで,強化学習は近年注目を集めるようになり実応用への期待が高まっている.ここでは,強化学習の文献を読み解くことに役立つ基礎を紹介することを目的に,制御対象のモデルが既知である場合の動的計画法のアプローチからはじまり,モデル未知の場合において収集されるデータから価値関数を推定するモンテカルロ法やTD学習法について概説する.加えて,強化学習の応用として特にロボットの動作生成課題を中心に,動的計画法を利用したモデル予測制御など関連分野での事例も含め最近の動向について議論する.
森本 淳(もりもと じゅん)君
京都大学大学院情報学研究科教授(2021年より現職).奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科博士後期課程修了(2001年).博士(工学).カーネギーメロン大学ロボティクス研究所博士研究員(2001-2002年)を経て,国際電気通信基礎技術研究所(ATR)脳情報通信総合研究所室長(2008-現在兼務)としてロボット学習の研究に従事.
SICE 制御部門 データ駆動型社会を支える適応学習制御調査研究会
3月11日(土)14:00~14:30
Room 2 (C109)
小西 克巳(法政大学情報科学部教授)
深層展開とは深層学習の手法を応用して最適化手法等における反復アルゴリズムの内部パラメータを最適化する手法である.近年は最適化分野のみならず信号処理、制御理論の分野でも深層展開が注目され,様々な手法や応用が提案されている.本チュートリアルでは深層展開の基本について紹介し,観測信号に欠損が含まれる場合に欠損信号を推定する信号修復手法への応用について紹介する.
小西 克巳(こにし かつみ)君
2001年東京大学大学院工学系研究科計数工学専攻博士課程修了.博士(工学).2001年4月東京理科大学工学部経営工学科助手.2002年9月広島大学情報メディア教育研究センター講師.2004年4月工学院大学CPDセンター講師.2006年4月工学院大学情報学部コンピュータ科学科講師.2009年同准教授.2018年4月法政大学情報科学部ディジタルメディア学科教授.現在に至る.IEEE,計測自動制御学会,電気電子情報通信学会,日本シミュレーション学会,システム制御情報学会,可視化情報学会の会員などの会員.
SICE 制御部門 制御技術部会
3月10日(金)10:40~11:20
Room 3 (C108)
戸田 真志(熊本大学総合情報統括センター教授)
「海中をみる」ことは,水産資源量の予測や保全,漁獲計画の立案,漁具の改良等,多様で幅広い活動を下支えする基礎的な情報の獲得行為である.講演者らは,主に漁場の水中視覚情報を利用し,画像解析技術を駆使することで,ホタテガイ等の水産資源種の計測の他,漁場の環境情報の抽出と可視化を通じて,水産業を支援する取り組みを続けている.当該研究において,撮影環境は照度差が大きく,また,砂,泥等の多様な背景を有する高ノイズ環境である.解析対象が生物であるが故の個体差の問題に加え,日々変化する海況とそれに起因した生物の状態差も大きく,解決のための課題は多い.本講演では,これらの取り組みの背景や研究開発の詳細を紹介する.
戸田 真志(とだ まさし)君
1993年東京大学工学部計数工学科卒業.1998年北海道大学大学院工学研究科博士後期課程電子情報工学専攻修了.1998年セコム株式会社IS研究所,2001年公立はこだて未来大学システム情報科学部講師,2005年同大助教授を経て,2012年熊本大学総合情報基盤センター(2014年より総合情報統括センター)教授.画像・映像処理とその応用技術,生体計測,教育情報システム等の研究に従事.
SICE 制御部門 制御技術部会
3月10日(金)13:40~14:20
Room 3 (C108)
山口 幹人(東海大学生物学部海洋生物科学科教授)
水産業が持続的に成長するためには,資源管理による天然資源の効率的な利用や養殖技術の発展が必要です.資源管理の基本は適度な漁獲努力のコントロールであり,前提として対象資源の量や分布・回遊と各地の漁獲手段との関係などを把握することが必要です.一方,増養殖は人為的に生産を向上させる技術であり,作業の効率化や周囲の環境への配慮,気候変動への対応などが重要となっています.いずれにしろ様々な情報の収集と解析,すなわち「海と水産業の見える化」が必要なのですが,可視光が数十メートルしか届かず電波の減衰も激しい水中においては多大なコストがかかっています.また水産における漁労活動,流通の実態の把握も迅速に行えているとは言い難い状況です.これらの現状について実例を挙げて紹介します.
山口 幹人(やまぐと もとひと)君
1985年東北大学農学部水産学科卒,1985年北海道立水産試験場に採用され研究職員として活動.2010年地方独立行政法人北海道立総合研究機構に身分移管後,同機構本部研究企画部主幹,稚内水産試験場調査研究部長,中央水産試験場資源管理部長,水産研究本部企画調整部長を務める.2022年東海大学生物学部海洋生物科学科教授.
SICE 制御部門 人とつながる制御システム調査研究会
OS: 人とつながる制御システムのための新たな学術展開
(オーガナイザ:平田研二(富山大学),井上正樹(慶応義塾大学),和佐泰明(早稲田大学))
3月11日(土)9:30~10:10
Room 4 (C107)
川本 大輔,田中 裕崇(株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所)
Open Energy System (OES) では分散・循環型社会の基盤となるエネルギーシステムの開発と社会実装を通して,気候変動の抑制,生物多様性の回復への貢献を目指している.再生可能エネルギーを有効活用するには,発電・蓄電・配電の技術に加えて需要家の行動変容も必須である.本講演では,OESで開発してきたボトムアップ型のエネルギーシステムを活用した需要家の行動のナビゲーションについて紹介する.
川本 大輔(かわもと だいすけ)君
2002年慶應義塾大学理工学研究科卒業.2002年よりソニー株式会社でノートパソコンの電源回路設計に従事.2014年からは株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所にてマイクログリッドの開発を行い,沖縄や徳島にエネルギーシステムを導入,運用.
田中 裕崇(たなか ひろたか)君
2010年大阪大学大学院工学研究科卒業.ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社に所属,株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所を兼務.ロボティクス研究と省エネルギーシステムの開発に従事.
ワークショップに参加される方は,参加申込時にチェックを入れてください.
SICE 制御部門 事業委員会・制御理論部会
3月8日(水)14:00~15:30
プリズムハウス 2階 P201
森山 美弥子(声楽家),福井 善朗(九州工業大学)
発声とは,学会発表,研究ミーティング,面接などの場に立つための前提技能です.その一方で,声を出すことが苦手であるとかコンプレックスを感じている方は少なくありません.その理由のひとつは,発声法の適切な指導を受けた経験がない/不十分だったことにあり,個人の才能や能力の欠如によるものではありません.本ワークショップでは,だれでも通る声を長時間出せるようになるための方法を,その道のプロより伝授します.工学系研究者に理解しやすいように体系的な説明を行い,発声トレーニングのデモンストレーションは被験者に対して行います.聴衆の皆さんが発声を強制させられることはありませんので,安心してご参加ください.
森山 美弥子(もりやま みやこ)君
九州女子短期大学音楽科(声楽)卒業.同大学卒業演奏会出演(声楽コース首席卒業).(株)クレモ・オーヴェストにソプラノソリストとして所属.声楽ソリストとして演奏会での活動を行う傍ら,島村楽器の声楽科講師,大分県立中津南高等学校の音楽講師を務める.第22回日本クラシック音楽コンクール全国大会入選(本選優秀賞).第58回西日本国際音楽コンクール入選.
福井 善朗(ふくい よしろう)君
2013年奈良先端科学技術大学院大学博士後期課程修了.同年4月立命館大学グローバルイノベーション研究機構専門研究員,2014年同大学情報理工学部助教,2018年九州工業大学助教となり現在に至る.第23回大阪国際音楽コンクールアマチュア部門シニアコース第6位(地区本選通過後,ファイナルでの成績).非線形制御,ロボット制御の研究に従事.計測自動制御学会,日本ロボット学会,IEEE,SIAMなどの会員.